非常勤講師の1週間の働き方|高校と日本語学校を掛け持ちして分かった違い

教員の退職と働き方

非常勤講師に興味はあるけど…実際の生活が想像できないわ…

実際に非常勤講師として勤務している私が、1週間の働き方をお話しします。

こんにちは。笹島です。
非常勤講師という働き方の実際ってどうなんだろう
このような疑問をおもちのみなさまへ、非常勤講師のリアルをお届けしたいと思います。

私は公立学校で十数年勤務したのち退職、現在は非常勤講師として働いています。
くわしいプロフィールはこちらをご覧ください。

この記事を読めば、

・非常勤講師として働く1週間の具体的なスケジュール
・高校と日本語学校を掛け持ちした場合の働き方の違い
・非常勤講師の仕事量・精神的負担・やりがいの実際
・収入やお金の面で、事前に知っておくべき現実
・非常勤講師に向いている人・向いていない人の特徴

が分かります。

非常勤講師の1週間のスケジュールや、勤務校ごとの違い、
高校と日本語学校を掛け持ちする実情について、具体的にお伝えします。

非常勤講師として働く私の前提条件

教諭としての十数年は、今振り返れば本当に激務でした。
独身時代は大きなやりがいを感じながら日々奮闘しておりましたが、
結婚し2人の娘に出会い、ある日ふと「この働き方でいいのだろうか」
という疑問にぶち当たりました。

現在は非常勤講師2年目です。
午前は私立高校(国語)、午後は日本語学校に勤務しています。

1週間あたり、午前15コマ・午後16コマを担当しています。
コマ数だけ見れば、教諭時代よりも多い授業数をこなしています。
子育てにもっと時間を割きたいという思いから、17時には帰宅できる働き方をしています。

しかし、非常勤講師の給与は教諭時代に比べれば激減します。
1校だけの勤務ではなく、実働可能な時間に効率よく働けないか、
そう考え、退職前から準備してきました。
非常勤講師になるまでに行った準備や、退職前に考えておくべきポイントについては、
「教員退職から非常勤講師へ!失敗しない準備と働き方」で詳しくまとめています。

1年目は公立中学校に勤務していましたので、
私がこれからお伝えする「非常勤講師」の働き方は
・公立中学校
・私立高校
・日本語学校
の3種類です。

やや特殊かもしれませんが、教諭の働き方に悩む方の選択肢が広がればと思っています。

非常勤講師の1週間のスケジュール(実例)

非常勤講師としての1週間は、このような感じです。

午前・午後で2校勤務するための条件

効率よく働きたいと考えた私は「日本語教師」として働けるように、
退職前に資格取得できるよう準備しました。(準備に関する記事はこちら

そのうえで、午前、午後で2校勤務するということは、
2校の移動距離がありすぎると成立しません。

1年目は公立中学校に勤務していました。
しかし、公立校の勤務では学級数や先生の数によって、
来年度は同じ学校に勤務できないかもしれません。

午前の勤務校によっては、午後の日本語学校へ勤務できなくなるかもしれない。
この不安定さから、2年目は私立高校に勤務することにしました。

運のいいことに20分程度で移動できる距離にある学校に勤務することができています。
これは、住んでいる場所など、条件に恵まれていると思っています。

この働き方が可能なのは、
・中学校や高校は午前に授業が集中している
・日本語学校は午前のクラスと午後のクラスがある

という2校の特徴があるからです。

授業時間だけでは終わらない非常勤講師の仕事

先ほどの表の時間は、1コマの時給が発生する授業時間です。

しかし、授業時間のみの勤務で、授業準備を行うのは不可能です。
午前の勤務では1~3年生まで全て担当しています。

非常勤講師の先生は、「足りないところに入る」ことが多いので、
学校の事情に合わせて、学年をまたいで何クラスも担当することが多いです。

当然、授業準備は増えます

テストづくりや成績処理、ノートチェック、
授業にかかわるすべてのことを授業時間だけで行うことはできません。

早朝出勤と土日準備、それでも得られたもの

ですから、朝の出勤時間は早いです。

7:30頃には出勤し、授業までの1時間、集中して準備します。
午後も12時頃には出勤し、お昼ご飯を食べながら準備しています。

しかし計31コマの授業準備はこれだけでは足りません。
土日に家で教材研究、授業準備をしていることがほとんどです。

ただ、退勤時間はきっかり16:30
17時には子どもたちに会うことができています。

高校と日本語学校、非常勤講師として感じた違い

授業の裁量と進度管理の違い

中学校や高校では、1年間の授業を自分1人で担当します。
学年を複数の先生で担当することが多いと思いますので、
次のテストまでにここまでは終わらせよう、
とざっくりと授業進度を相談して進めていきます。

揃えるところは揃えながらも、担当クラスの授業の進め方は自分で決定することができます。
今日はちょっと終わらなかったから、次の授業で調整しよう、も可能です。

しかし、日本語学校は多くの場合、1つのクラスを複数の先生で担当します。
今日は第〇課の〇ページまで、次の日は〇ページまで、とスケジューリングされます。

ですから、次の授業で調整しようは、次の先生の負担になります。
自分に割り振られた分は、その日のうちに進めなくてはなりません。

複数講師制が生む「比較される環境」

日本語学校の学生は、意識していなくても、
毎日違う先生の授業を受けることになります。
そのため、「分かりやすかった」「楽しかった」「進みが早い・遅い」といった感覚で、
先生たちを自然と比べています。

この点は、1年間1人で教科を担当する中学校や高校よりも、
シビアな評価を受けます。

休んだときのリスクの違い

中学校や高校は1人で授業を進めるという点で、ペース配分はしやすいです。

しかし、自分が休む場合、授業を振り替えるか、
できなかった分をどこかで補填しなくてはなりません。

非常勤講師の場合、空き時間はほとんどありませんので、振替は大変です。

その点、日本語学校は授業のペース配分は決まっているけれど、
万が一の休みの場合は、別の先生がその日の授業を代わりに担当することが可能です。

高校では「担当教員の一人」として、教科の一部を任されますが、
日本語学校では「クラス運営の歯車の一つ」として、

決められた役割を正確に果たすことが求められます。

どちらにも、メリット・デメリットがあります

こうした働き方の違いを経験する中で、
非常勤講師になった自分の気持ちや価値観も、大きく変わりました。

「失ったもの」と「得たもの」を、感情面も含めて正直に振り返った記事はこちらです。

「非常勤講師になって失ったもの・得たもの|教諭を辞めて見えた本音」

精神的な負担・やりがい

非常勤講師になって、精神的な負担は確実に減った

私より先に教諭から非常勤講師になった同僚がこう言っていました。
「給料は半分でも、ストレスは10分の1になった」
本当にその通りだと思います。

私は教諭時代に「もっと授業の準備をきちんとやりたい」と思っていたので、
今の授業に集中できる環境は心地いいです。

土日に授業準備をすることが、私は全く苦ではありません。
それは、家にいて子どもたちの宿題をみながら仕事ができるからです。
部活動の指導に当たっていた土日は、我が子とは過ごせませんでした。

また、非常勤講師は電話対応、保護者対応は基本的にはしません。
私は午前勤務なので、給食指導も清掃指導もしません。
特に、保護者対応で夜遅くまで勤務していたことを考えると、
精神的な負担は10分の1どころか、ほぼゼロです。

その代わりに失ったもの――生徒との距離感

失ったものもあります。
それは、生徒との距離感です。

生徒1人1人の背景まで理解した上で、生徒と関係を築くことは難しいです。
部活動や日々頑張っていることまで、授業の中では見えません。

教諭時代はできていた、「今この子に必要な声掛け」が今は分かりません。
生徒が呼ぶ「先生―!」の相手はまず私ではありません。

これは、正直寂しいです。

精神的な負担が減った分、失ったものだと思います。

日本語学校でも同じだった「非常勤」という立場

日本語学校においても同様です。

日本語学校の常勤の先生方は、留学生の生活面まで全面的にサポートしています。
非常勤講師は授業だけですから、中学校・高校と同様、
授業だけでは見えないものがあります。

日本語学校の場合は、みんなでクラスを見ているので、
細かに情報共有はされますが、学生が頼りにしているのは常勤の先生方です。

「1番に頼りにされる」というポジションは非常勤講師では務まりません。

今の私が感じている、非常勤講師としてのやりがい

今のやりがいは、生徒・学生が楽しく学び、少しでも学力を伸ばしてくれることです。

簡単に成果は見えませんが、「先生の授業わかりやすかった」という、
たまに耳にする言葉が、教諭時代よりも心にしみます。
それくらい今は、授業づくりに全力投球しています。

生徒とのかかわりが1番だという方は、
非常勤講師になる前に少し考えてみてほしいなと思います。

非常勤講師の収入とお金の現実|知っておいてほしいポイント

さきほど、「給料は半分でも」と書きましたが、
勤務校が1校の場合は、それ以下かもしれません。

非常勤講師は「フルタイム=満額」ではなく、担当コマ数次第で収入が決まるからです。

特に1年目は、前年の給与をもとに税金額が決まりますので、
高額な社会保険料等を支払わなくてはならない場合が多いです。

非常勤講師は社会保険に入れないことが多いですので、
これまであまり意識してこなかった各種の税金について改めて知らなくてはなりません。

また、非常勤講師は1コマいくらの時給制ですから、
「勤務時間=収入」です。
休めば無休です。

夏休みなどの長期休業中はもちろんですが、
学校行事等で授業が少ない月なども、収入が減り安定しません。

退職金の金額や、退職後1年間に実際に支払った税金・社会保険料については、
「40歳で教諭を退職!退職金と退職後に支払う税金額は?リアルなお金事情を公開」
で、具体的な金額とともにまとめています。

私は、この収入の不安をなるべく解消しようと、2校勤務という形を選びました。
それでも収入は減りましたが、精神的な負担が減り、家族との時間を大切にできています。

退職直後の4月、17時に子どもの宿題をみているという現実に
私は泣きそうになりました。

この価値観は人それぞれ異なるものです。

私は非常勤講師に向いてるのかな…と不安に思う方は、
自分の1番大切にしたいものを考えてみるといいと思います。

非常勤講師に向いている人・向いていない人

ここまでお伝えしてきた働き方・収入・精神的な負担を踏まえると、
非常勤講師という選択は、向き・不向きがはっきり分かれる働き方だと感じています。

〈非常勤講師に向いている人〉
・定時退勤を前提に、家庭や自分の時間を優先したい人
・学級経営や部活動よりも、授業づくりそのものに集中したい人
・収入が減ることを理解した上で、時間的・精神的な余裕を選びたい人

〈非常勤講師に向いていない人〉
・生徒一人ひとりの背景まで把握し、生活面も含めて関わりたい人
・「困ったときに真っ先に頼られる存在」でいたい人
・毎月の収入の安定や、これまでの生活水準を維持したい人

非常勤講師という働き方は、1つの選択肢です。
選択するためには、自分が「どんな価値観を大切にしたいのか」を考える必要があります。

ただ、難しく考えなくても大丈夫です。
非常勤講師から常勤講師になることは比較的簡単ですし、
子育てが終わったら、もう一度採用試験を受けて、教諭になるという道も選べます。

一生を左右する選択ではありません。
今の生活の中で、一番大切なものを優先するための選択です。

さらに詳しくは、
非常勤講師という働き方は誰に向いている?教諭を辞める前に整理したい判断ポイント
こちらの記事にまとめました。ご興味のある方はあわせてご覧ください。

まとめ

非常勤講師になったから、すべて楽になる、というわけではありません。

教諭時代の激務や精神的負担は軽減しますが、
教諭時代にはなかった大変さや、不安ごともあります。

その具体的なイメージが、この記事で悩める皆さんに少しでも伝わると幸いです。

「何を大切にしながら、先生をするか」

教員の働き方は1つじゃありません。
日々現場で頑張っている先生方。
さまざまな選択肢を模索しながら、
忙しさやストレスだけに押しつぶされない教員人生を歩んでください。

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