配偶者同行休業の注意点|教員の海外帯同で後悔しないためのリアル体験とお金の話

配偶者同行休業の注意点|教員の海外帯同でのお金や復職の不安イメージ 海外生活・帯同

※筆者は、主人の日本人学校勤務に家族で帯同し、東南アジア圏で3年間生活しました。配偶者同行休業で帯同したリアルな経験を書いています。

主人が日本人学校で働くことになったけど、配偶者同行休業ってどんな制度なのかしら?

配偶者の海外赴任が決まり、一緒に海外で生活することになったとき、これからの生活に不安を感じる方は多いのではないでしょうか。特に「配偶者同行休業」を取得しようかと考えたとき、どんな制度なのか、注意点は何か、が分からず、不安に感じる方も多いと思います。

仕事はどうなるのか
出発前に何を準備したらいいのか
復職のときはどうなるのか
お金はどれくらい準備すればいいのか

この記事では、配偶者同行休業の制度の概要に加え、実際に利用して分かったメリットや注意点(特にお金・復職)を体験ベースで具体的に解説します。

これから海外帯同を考えている方の判断材料になれば嬉しいです。

配偶者同行休業とは?

配偶者同行休業とは 制度の概要と仕組み

配偶者同行休業とは、配偶者の海外赴任などに同行するために、公務員が一定期間仕事を休むことができる制度です。

退職とは異なり、在職したまま休業できるため、期間終了後は元の自治体に復職することが可能です。

公立学校の教員も対象となっており、条件を満たせば利用することができます。
休業期間は自治体によって異なりますが、最長3年程度とされていることが多いです。

なお、育児休業とは異なり手当はなく、休業中の収入は基本的にゼロになります。

「一度学校現場を離れて生活してみたい」
「海外で家族と過ごす時間を大切にしたい」

このような希望を実現できる制度であり、退職以外の選択肢として知っておく価値があります。

ただし、制度の詳細や条件は自治体によって異なるため、事前の確認が欠かせません。

利用できる人・条件

配偶者同行休業は、配偶者が海外勤務などで長期間日本を離れる場合に取得できます。公務員である本人が取得する制度であり、配偶者は海外勤務などで日本を離れる必要があります。

地方公務員である教員も対象ですが、制度の詳細や条件は自治体によって異なるため、事前に確認が必要です。

また、配偶者の赴任時期や家族の状況によって判断が分かれるケースも多くあります。

配偶者に帯同するのか、それとも単身赴任とするのかは、家族でよく話し合う必要があります。子どもの教育、両親のこと、自身のキャリアなど、考えるべき要素は少なくありません。

実際に「行きたかったけれど断念した」という方も周りには多くいました。
それでも、タイミングや条件が合うのであれば、選ぶ価値のある選択肢だと感じています。

配偶者同行休業のメリット

配偶者同行休業 メリット 家族と過ごす時間

配偶者同行休業を利用して海外生活を経験し、私が感じたメリットは主に次の3つです。

家族と過ごす時間が大幅に増える 
自分のキャリアを見直す時間が持てる 
新しい進路や働き方につながる可能性がある 

それぞれ、実体験をもとに具体的に解説します。

家族との時間が増える

最も大きかったのは、家族と過ごす時間が圧倒的に増えたことです。

教員として働いていた頃は、授業準備や部活動、行事対応で帰宅が19時〜20時になることも珍しくなく、平日は子どもとゆっくり関わる時間を確保するのが難しい状況でした。

しかし海外生活では、日中の時間を家庭に使えるため、
子どもの送り迎えや宿題を見る時間、家族で夕食を囲む時間が当たり前になりました。

我が家は子どもが3歳と小1のタイミングで渡航しましたが、環境の変化が大きい時期に、親がそばで生活を支えられたのは大きな安心材料だったと感じています。

特に、海外生活に慣れるまでの数ヶ月は想像以上に負担が大きいため、
「家族のサポートに専念できる期間がある」という点は大きなメリットです。

自分のキャリアを見直せる

学校現場を離れたことで、自分のキャリアを客観的に見つめ直す時間を持つことができました。

教員として働いていると、日々の業務に追われ、
「このまま働き続けてよいのか」「他の選択肢はあるのか」と考える余裕はほとんどありません。

しかし、一度現場を離れることで、これまでの働き方や今後のキャリアについて冷静に考える時間が生まれます。

実際に海外で出会った日本人は、駐在員や現地で結婚した方、現地起業家など多様で、日本の学校現場にいるだけでは出会えない働き方をしている人が多くいました。

また、現地の人々の価値観や宗教観に触れる中で、「働くこと」や「家族との時間」に対する考え方自体が変化したと感じています。

このように、環境を大きく変えることで、これまで前提としていた価値観を見直せる点も大きなメリットです。

新しい進路につながる可能性

海外生活は、新しい進路につながるきっかけにもなります。

私の場合、現地で生活する中で「言語そのものへの興味」が強くなり、現地語の学習に取り組む時間が増えました。

一方で、「国語を教えていた経験があっても、日本語を外国人に説明するのは全く別の難しさがある」ということにも気づきました。

この経験から、日本語教師という新たな進路を意識するようになりました。

配偶者同行休業は「一時的に仕事を離れる制度」ですが、実際にはその期間が、今後の働き方を大きく変える転機になる可能性があります。

実際に、教員から別のキャリアに進むケースも少なくありません。

→ 教員退職後の進路に迷った方は、こちらの記事も参考にしてください。 
教員退職後の進路に迷ったら|国語教師が日本語教師に向いている理由

配偶者同行休業の注意点|教員の海外帯同で失敗しやすいポイント

配偶者同行休業 注意点 お金と支出の不安

一方で、配偶者同行休業には事前に知らないと後悔しやすい注意点があります。

特に重要なのは次の5点です。

・給与が出ない中での「固定費の支払い」 
・渡航前後にまとまった資金が必要になること 
・ボーナスが支給されない可能性 
・復職後の勤務校が変わる可能性 
・渡航前の手続き負担が想像以上に大きいこと 

配偶者同行休業のお金|いくら必要?固定費と支出の実例

配偶者同行休業で最も注意すべきなのは「お金」です。

給与が支給されない一方で、日本での支払いは継続するため、年間で少なくとも30万〜50万円程度の固定支出が発生する可能性があります(住民税・年金など)。

海外から日本への送金は簡単ではありません。
日本にいる家族に負担してもらうにしても、なかなか高額になります。

さらに、渡航前後にはまとまった資金が必要になるケースも多いため、事前に全体像を把握しておくことが重要です。

主な支払い項目は以下の通りです。

① 国民年金 
給与天引きがなくなるため、自分で納付する必要があります。 
年額で約20万円程度が目安です。 
私は日本にいる家族に資金を預け、代わりに支払ってもらっていました。

② 住民税 
前年の所得に基づいて課税されるため、収入がなくても支払いが発生します。 
特に渡航1年目は負担が大きくなるため注意が必要です。

③ 健康保険 
休業中は配偶者の扶養に入るケースが一般的ですが、事前確認は必須です。 
また、現地では医療費を一度全額支払い、帰国後に還付申請を行うケースもあります。 

民間保険に加入する場合は費用とのバランスを検討しましょう。

④ その他の固定費 
住宅ローン固定資産税奨学金返済など、日本での支払いは継続します。 
私は奨学金については返還猶予の手続きを行いました。

⑤ 制度関連(見落としがち) 
・住宅ローン控除:海外滞在中は対象外になる可能性あり 
・給付金:住民票がないと対象外になる場合あり 

支払い方法や引き落とし口座は、渡航前に必ず整理しておくことをおすすめします。

配偶者同行休業は収入ゼロ|生活費と必要な貯蓄の考え方

配偶者同行休業中は、原則として収入がゼロになります。

そのため、「どれくらい貯蓄があれば安心か」を事前に考えておくことが重要です。

実際には、渡航前に以下のようなまとまった支出が発生することがあります。

・予防接種費用 
・家賃や授業料の前払い 
・車の購入(国による) 

渡航後も無収入の状態が続くため、生活費+日本での支払いをカバーできる資金を準備しておく必要があります。

我が家では、複数の口座に分散していた資金を1つにまとめ、いつでも確認できる状態にしてから出国しました。

配偶者同行休業とボーナス|支給されないケースに注意

公立学校教員の場合、ボーナスは「基準日に在職しているか」で支給が判断されます。

そのため、休業の開始時期によっては、直前まで勤務していても支給されない可能性があります。
私の場合は4月から休業に入ったため、6月のボーナスは支給されませんでした。

12月のボーナス以降、1月~3月は通常に勤務していても支給されないということをこのとき初めて知りました。

制度上のルールで決まるため、「いつから休業に入るか」は金銭面にも影響する重要なポイントです。

 配偶者同行休業後の復職|勤務校はどうなる?

復職後は、必ずしも元の学校に戻れるとは限りません。

人事異動の一環として、新しい学校に配属されるケースもあります。

また、休業期間中に管理職が変わることもあるため、復職時の引き継ぎがスムーズにいかない可能性もあります。

そのため、休業中も定期的に学校と連絡を取り、メールアドレスなどの連絡手段を共有しておくことをおすすめします。

配偶者同行休業の準備|渡航前にやるべきことチェックリスト

渡航前の準備は想像以上に多く、スケジュール管理が重要です。

主な準備は以下の通りです。

・予防接種(複数回必要な場合あり) 
・自家用車の処分または保管手続き 
・自動車保険の等級引き継ぎ手続き 
・スマートフォンのSIMロック解除 
・各種支払いの整理 

この他にも引っ越しの準備や子どもの学校の手続きなどもあります。

特に年度末は勤務校の業務も忙しいため、早めに準備を始めることが重要です。
なお、渡航準備については、先に渡航している方やインターネットの情報が参考になります。

ここまでをまとめると、

【目安】配偶者同行休業で必要な資金
・固定費(年金+住民税など):約30〜50万円/年
・渡航準備費:数十万円〜(国による)
・生活予備費:最低でも数ヶ月分
→ 合計:最低でも100万円以上の余裕資金があると安心

配偶者同行休業でやってよかった準備|失敗しないためのポイント

配偶者同行休業 渡航前の準備 チェックリスト

配偶者同行休業をスムーズに進めるために、事前にやっておいてよかったと感じたことをまとめます。

まとまったお金を準備しておく
日本での支払いを任せる人を決めておく
必要書類や手続きを整理しておく
クレジットカードなど海外で使える手段を準備する

特に「お金の管理」と「日本での支払いの対応」は、事前にしっかり決めておくことが重要です。

配偶者同行休業に向いている人・向いていない人|判断基準まとめ

配偶者同行休業 向いている人 向いていない人 判断基準

配偶者同行休業は、「収入がない状態で一定期間生活する」制度です。

そのため、向き・不向きがはっきり分かれます。

以下を目安に、自分に合っているか確認してみてください。

【向いている人】

・一定期間、収入がなくても不安や負い目を感じない 
・家族との時間を優先したい 
・海外生活や新しい環境を楽しめる 
・キャリアの見直し期間と割り切れる 

【向いていない人】

・収入がない状態に強い不安を感じる 
・仕事をしていないとストレスを感じる 
・キャリアの空白期間に抵抗がある 
・生活コストの増加に耐えられない 

特に「働けないこと」にストレスを感じるタイプの方は、休業ではなく別の選択肢を検討した方がよいケースもあります。

配偶者同行休業と夫婦派遣の違い|どちらを選ぶべきか

配偶者同行休業と夫婦派遣の違い 海外勤務の選択肢

配偶者同行休業以外の選択肢として、「夫婦派遣」という制度もあります。

これは、夫婦ともに教員の場合、条件が合えば2人とも海外の日本人学校などに派遣される制度です。

最大の特徴は、休業とは異なり「収入を得ながら海外勤務ができる」点です。

【配偶者同行休業との違い】
・休業:収入なし/キャリアは一時中断 
・夫婦派遣:収入あり/キャリア継続 

そのため、「キャリアを止めたくない」「収入面の不安を減らしたい」という場合には、
夫婦派遣は有力な選択肢になります。

ただし、制度の有無や条件は自治体によって異なるため、募集情報を事前に確認する必要があります。

実際に、私の知人は夫婦派遣で海外勤務を選択しました。

ただし、子どもを伴う場合は注意も必要です。
国や地域によっては、共働きのため子どもが単独で登下校したり、留守番を必要としたりするケースもあります。

そのため、お手伝いさんを雇うなど、現地の生活環境に応じた対応が求められることもあります

このように、夫婦派遣は魅力的な制度である一方で、家族構成や子どもの年齢によっては慎重な判断が必要です。

「収入を取るか」「時間を取るか」で選択は大きく変わります。

どちらが正解というよりも、自分や家族にとって優先したいものは何かを基準に考えることが重要です。

配偶者同行休業まとめ|後悔しないための判断ポイント

配偶者同行休業 まとめ 後悔しないための判断

配偶者同行休業は、退職せずに海外生活を経験できる貴重な制度です。

一方で、「収入がない状態で生活する」という大きな前提があるため、
事前の準備と考え方次第で満足度が大きく変わります。

この記事のポイントをまとめると、次の通りです。

【メリット】
・家族と過ごす時間が増える 
・キャリアを見直す時間が持てる 
・新しい進路につながる可能性がある 

【注意点】

・固定費(年金・住民税など)の支払いが続く 
・渡航前後にまとまった資金が必要 
・ボーナスが支給されない場合がある 
・復職後の勤務校が変わる可能性がある 

特に重要なのは、
「どれくらいお金が必要か」と「自分はこの生活に向いているか」
事前に具体的にイメージしておくことです。

配偶者同行休業は、

家族との時間を優先したい人 
一度立ち止まってキャリアを考えたい人 

にとっては、大きな価値のある選択です。

一方で、

収入面の不安が大きい 
キャリアを止めたくない 

という場合は、「夫婦派遣」という選択肢も含めて検討することをおすすめします。

私自身、この経験があったからこそ、現在の働き方(非常勤講師+日本語教師)につながっています。
当時は不安もありましたが、結果として「選んでよかった」と感じています。

これから配偶者同行休業を検討している方が、納得した形で判断できることを願っています。

教員退職後の進路に迷った方はこちら
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家族帯同の海外生活についてはこちらの記事で解説しています。 
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