※筆者は、元公立小中学校教諭→現在は非常勤講師として働いています。

もう限界かもしれない…。辞めたいけど、本当に辞めていいのかな…
「教員は辞めてもいいのか?」という問いに対しての答えは、
“整理できていれば辞めても後悔しない”です。
教員として働いていると、一度は「もう辞めたい」という気持ちを抱えたことがあるのではないでしょうか。
ただ、いざ退職を考え始めると
・後悔しないか
・生活できるのか
・次の仕事はあるのか
といった不安が一気に押し寄せ、決断できなくなる人も多いです。
私も、教諭という立場を手放すのはとても不安でした。
退職して2年経った今振り返ると、あのときの迷いは、「判断軸がなかった」ことが原因だったと感じています。
この記事では、
・教員を辞める前に整理すべきこと
・後悔しないための判断のポイント
を、元教員の視点から分かりやすく解説します。
結論|辞めるべきかは「整理」で決まる
まずは全体の流れを見てみてください。
この順番で考えると、自分に合った選択がしやすくなります。

結論からお伝えすると、教員を辞めるべきかどうかに、明確な正解はありません。
ただし一つ言えるのは、
👉 「整理不足のまま辞めると後悔しやすい」
ということです。
逆に言えば、
・自分の状況
・不安の正体
・現実的な選択肢
をしっかり整理できていれば、納得して決断できます。
この記事は「辞めるべきかを決める記事」ではなく、
「自分で決められる状態になるための記事」です。
なお、「辞めて後悔するケース」も気になる方は、先にこちらも読んでみてください。
▶ 教員を辞めて後悔した?|元教諭が感じた3つの「失ったもの」
教員を辞める前に整理すべき5つのこと

ここからは、実際に辞める前に必ず整理しておきたいポイントを5つ紹介します。
①「なぜ辞めたいのか」を言語化する
まず最初にやるべきことは、
👉 辞めたい理由をはっきりさせることです。
たとえば
- 人間関係がつらい(先生同士、保護者対応、生徒指導)
- 業務量が多すぎる(授業、校務分掌、部活動)
- 家庭との両立が難しい(帰宅時間、土日の使い方、通勤距離)
など、です。人によって教員を辞めたい理由はさまざまです。
実際にはさまざまな要因が絡み合って、つらい現実になっていると思いますが、
どの要因が一番しんどいのかを一度見つめなおすと、改善の一手が見えてきます。
ここで重要なのは、
👉 それが一時的な感情なのか、構造的な問題なのかを見極めること。
- 一時的 → 環境を変えれば改善する可能性あり(実際、異動で一気に楽になるケースも少なくありません)
- 構造的 → 退職も選択肢になる
この違いを整理するだけで、判断がかなり楽になります。
一時的な問題ならば、退職せずとも次のような選択肢があります。
・管理職に相談し、助けてもらう
・異動する
・校種を変える
環境を変えるだけでは解決できない構造的な問題ならば、退職も選択肢の1つです。
そもそも学校という場を辞めたいのであれば、別の職業を検討しなくてはなりません。
②「辞めた後どうするか」をざっくり決める
次に考えるべきは、辞めた後の方向性です。ここが曖昧だと、不安が一気に大きくなります。
代表的な選択肢は以下の通りです。
- 非常勤講師として働く
- 民間企業へ転職する
- 一度休んでから考える
まだ決められない、わからないという方も、
たとえば「非常勤として週3で働く」「半年休んでから転職する」など、ざっくりでもいいのでイメージしておくと、不安はかなり減ります。
方向性だけでも持っておくことが大切です。
私は、国語教師というこれまでのキャリアを生かして日本語教師になるという選択をしました。
国語の先生とは相性のいい転職先ですので、別の環境で教えてみたいという方は検討の価値あります。
▶教員退職後の進路に迷ったら|国語教師が日本語教師に向いている理由
退職後もスムーズに働きたいならば、退職前に準備を始めることをおすすめします。
私が実際に行った準備については、こちらの記事にまとめました。
▶教員退職から非常勤講師へ!失敗しない準備と働き方
③「収入はどれくらい下がるか」を把握する
これはかなり重要なポイントです。
教員を辞めた場合、収入はほぼ確実に下がります。
非常勤講師の場合、働き方によっては年収が100万円以上下がるケースもあります。
問題は、
👉 どれくらい下がるかを具体的に把握しているかです。
想像ではなく、数字で考えましょう。
たとえば非常勤講師の場合、勤務日数やコマ数によって大きく変わります。
実際のリアルな収入については、こちらの記事で詳しく解説しています。
👉非常勤講師の年収はいくら?元教諭がリアルな月収・働き方を公開
お金の心配が大きいという方は、ひとまず退職以外の道を検討しましょう。
退職後のお金の不安定さは、精神的にも大きな影響を及ぼします。
④「今の環境を変える選択肢はないか」
先ほども触れたように、「辞める」以外にも、環境を変える方法はあります。
- 異動を希望する
- 校内で役割を調整する
- 休職する
- 配偶者同行休業など環境を変える制度を利用する
特に、「人間関係」や「学校の雰囲気」が原因の場合は、
👉 環境を変えるだけで解決するケースも多いです。
一度立ち止まって、「本当に退職しかないのか」を考えてみてください。
教諭という立場のまま環境を変える方法は、実はいろいろあります。
一度、お勤めの自治体の制度を確認してみるといいと思います。
詳しくはこちらの記事にまとめました。
▶「教員を辞めたい」と思ったときに知ってほしい|辞めずに環境を変える4つの方法
⑤「それでも辞めたいか」を自分に問う
ここまで整理した上で、最後に自分に問いかけてみてください。
👉 それでも辞めたいか?
退職後は、安定的に雇用があるのか、お給料は安定してもらえるのか。
不安がゼロになることはありません。
それでも「辞めたい」と思うなら、その気持ちはかなり本質的です。
心身ともに疲れ切っているのかもしれません。
さまざまな不安よりも、今行動を起こそうという強い気持ちがあるなら、
どんな道を選んでも後悔は少なくなると思います。
教員を辞めたい人のよくある不安

教員を辞めたいと思ったとき、多くの人が感じる不安も整理しておきます。
①お金が不安
この不安は、事前にシミュレーションすることでかなり減らせます。
どんな働き方をしたいのかをイメージし、具体的な数字で収入をイメージしましょう。
逆に、何も考えずに辞めてしまうと「思ったより減った」と後から焦るケースもあります。
勤続年数にもよりますが、退職時には退職手当がもらえます。
この退職手当をもとに、どのくらいの期間休んでも大丈夫か考えることができます。
残高や月々の収入額など、どのくらい減ったら不安でどのくらいは耐えられるのか。
数字と自分の価値観を比べてみると、不安は将来設計へと変わります。
40歳で退職した私のリアルな退職金はこちらにまとめました。
「どれくらいもらえるのか」「税金はどれくらい引かれるのか」までまとめています。
▶40歳で教諭を退職!退職金と退職後に支払う税金額は?リアルなお金事情を公開
②次の仕事が見つかるか不安
これは、自分のキャリアで働ける働き方を知ることで減らせる不安です。
私は中学校で退職しましたが、小学校や高校の教員免許も持っていました。
また、私立の学校も通勤圏内にありましたので、公立にこだわらない働き方ができました。
そして、日本語教師として教えたいという気持ちがあったので、
退職前から資格取得に向けて準備をしました。
非常勤講師は「複業」できることが強みですので、退職を機にやってみたかったことに挑戦するという選択もできます。
次の仕事の選択肢を自分から増やす動きをしていくと、不安は前に進んでいる充実感に変わります。
③世間体が気になる
本当に大切にしたいものを理解して不安を減らしましょう。
正直なところ、年上の世代の方々からは「もったいない」「退職金を捨てるのか」
というようなことも言われました。
ただ私には主人という心強い味方がいましたので、そういった声も気にせずにいられました。
世間の声は、必ずしもあなたの状況や価値観を理解しているわけではありません。
自分が「大切にしたい」と思う価値観を大切にしてください。
そして、自分の価値観を理解してもらいたい人とはよく話し合い、
応援してもらえれば、世間体は小さな問題に過ぎなくなります。
④後悔しないか不安
この不安は、準備と整理でかなり減らすことができます。
最初にまとめたように、「判断軸」があいまいなまま退職をしてしまうと後悔することになるかもしれません。
退職後のことをイメージしないまま、勢いで退職してしまったり、退職しなくてもいい方法を知らないままでいたり。
今なぜ「教員を辞めたい」と考えているのかを整理し、
次の行動の選択肢を知ることで、後悔することは少なくなると思います。
そして何より、退職してもまた戻ることができます。
常勤講師でも、再び教諭に戻ることも今は制度上可能です。
また戻ればいい、そう考えると気持ちも楽になりませんか。
実際に、一度現場を離れてから戻ってくる人も少なくありません。
実際に辞めた私が感じたこと

私自身も、辞める前はかなり悩みましたし、不安もありました。
- 収入が下がる不安
- キャリアが途切れる不安
- 周囲の目
ただ、事前にある程度整理し、準備していたことで、
「想像していたよりも大丈夫だった」というのが正直な感想です。
一方で、「何も考えずに辞めていたら危なかった」とも感じています。
実際に失ったと感じているものもあります。こちらの記事に詳しく書きました。
お金だけではない、実際に辞めてみて感じたリアルな感情をまとめました。
▶非常勤講師になって失ったもの・得たもの|教諭を辞めて見えた本音
ここまで読んで、「やっぱり辞めたい」と感じた方もいれば、
「もう少し今の環境でできることがあるかもしれない」と感じた方もいると思います。
辞める以外の選択肢もたくさんあります。
- 異動
- 休職
- 働き方の調整
など、小さく環境を変える選択も検討してみてください。
何よりも今つらいこと、辞めたいと思っていることを
管理職の先生や話しやすい先生に話して吐き出すことも大切だと思います。
それでも辞めたい、退職しよう、と考える場合は、次の選択肢を考えていきましょう。
退職後の働き方を6つにまとめた記事はこちらです。
▶教諭退職後の選択肢6選|非常勤・日本語教師・複業まで経験者が解説【40代からでも働ける】
退職後の私の働き方 ①非常勤講師という働き方
教員を退職した後、多くの方が選ぶのが非常勤講師という働き方です。
非常勤講師という働き方は、
- 時間に余裕ができる
- ストレスが減る
- ただし収入は下がる
という特徴がありますが、「複業」が可能な働き方です。
自分の時間を増やすことも可能ですし、新しいキャリアを積むことも可能です。
退職後の私の働き方 ②日本語教師という選択肢
最近は、日本語教師へ転職する40代~50代の人も増えています。
教員の転職先としては大変相性のいい職種だと感じています。
日本語教師は2024年に国家資格化しました。今後は活躍の場も広がると予想されます。
午前と午後で授業を行っている日本語学校もあります。
日本語学校は、
- 働き方が比較的柔軟
- 海外で働くチャンスもある
- 教員経験が活かせる
職場です。
「教育に関わりながら働きたい人」にとって有力な選択肢です。
日本語教師は、登録日本語教員になるための試験を受ける必要があります。
興味がある方は、まずは養成講座の資料を取り寄せてみるのがおすすめです。
カリキュラムや費用、通い方などを比較するだけでも、かなり具体的にイメージできるようになります。
「すぐに転職するかどうかは別として、まずは情報だけ集めておく」という動きでも大丈夫です。
まとめ|大切なのは「納得できる選択」

結局、教員は辞めてもいいのか?
結論としては、
「しっかり整理した上であれば、辞めるという選択も十分あり」です。
無理を続けて心身を崩してしまう方が、長い目で見るとリスクになります。
教員を辞めるかどうかに正解はありませんが、
・なぜ辞めたいのか
・辞めた後どうするのか
・現実的に生活できるのか
こうしたポイントを整理することで、自分なりに納得できる選択ができるようになります。
そしてもう一つ大切なのは、
「今つらいと感じている自分の感覚を、軽く見ないこと」です。
無理を続けることが正解とは限りません。
環境を変えることも、立派な選択の一つです。
退職に関する記事をまとめましたので、気になる記事からお読みください。
▶「教員の退職と働き方」記事一覧
教員の働き方は一つではありません。
日々最前線で働かれ、悩まれている先生方の参考になれば幸いです。
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