読書感想文の例文を添削!ダメな文章→入賞レベルへの直し方を完全解説

読書感想文・国語指導

※この記事は、
公立中学校で国語教諭として10年以上勤務した筆者の経験をもとに発信しています。
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読書感想文を書いたけどこれでいいのか分からない…

夏休みの課題など、読書感想文を書くことになったけど、これでいいのか。

どうやって書いたら入賞できる作文になるのか。

そんなお悩みをお持ちのみなさん。

👉 読書感想文は“直し方”を知れば一気に変わります。

この記事を読んでわかること↓
 ・ダメな例が分かる
 ・改善方法が分かる
 ・入賞レベルの形が分かる

評価されない読書感想文の例【よくあるNGパターン】

読書感想文の書き方に悩む中学生のイメージ

次の例文は、実際に生徒が書いた文章をもとにしています(個人が特定されないよう一部調整しています)。 

「スラムダンク」を読んで

 私は最近、井上雄彦さんの名作「スラムダンク」を読みました。この作品は、湖北高校バスケットボール部を舞台に不良少年の桜木花道が仲間とともに、成長していく姿を描いた物語です。私はただのスポーツ漫画を超えた人間ドラマに強く心を動かされました。特に印象に残ったのは、主人公・桜木花道の変化です。彼は入部当初バスケのルールすら知らない素人でした。しかし入部して練習を重ねるうちに少しずつ成長し、努力の大切さを学びました。最初は自分勝手で周囲を困らせていた花道がチームのために体を張る姿に感動しました。その姿を見て、私も仲間とともに努力することの意味に気がつかされました。また、流川楓や三井寿、赤木などの個性豊かなキャラクターたちも物語をより深くしていきます。(後略)

このような文章は「よく書けているように見えるのに評価されない」典型例です。

読書感想文が評価されない3つの理由

結論
  • あらすじが長すぎる
  • 中身がない。「感動しました」で終わっている
  • 題名・書き出しに工夫がない

あらすじを書きすぎると、なぜ評価が下がるのか?

作文の審査員が読みたいのは、あらすじではなく、
「その本を読んであなたはどう変化したのか」ということです。

考え方の変化や感じ方の変化、読書を通したあなたの成長を読みたいと思っています。

中学生の部の場合、字数制限は2000字以内です。
あらすじで文字数を使ってしまうのはもったいないです。
あらすじは、文章の流れで必要なら少し触れる程度で、書かなくても伝わります。

審査員はその本の内容は知っている、という前提で書きましょう。

「感動した」で終わると評価されない理由

例文では、「心が動かされた」「感動した」「気づかされた」とありますが、具体性がありません。

登場人物のどんな行動に、自分は何を思って考えたのか。
自分のどんな経験と重ねたのか。

中身を詳しく書かなければなりません。
「感動した」は一見すると感想が書かれているようですが、できるだけ使わないで感想を書き表してみましょう。

「すごいと思った」「感動した」は、中身が浅くなりがちな文末表現です。
「感動した」と書いているときは、まだ自分の中で言葉にできていないサインかもしれません。

題名と書き出しで“差がつく”理由

読書感想文の入賞を決めるのは書き出しです。
題名と書き出しで9割決まる、と言っても過言ではありません。

その理由は、一次選考は学校内で行われるからです。

学校の先生は短い期間の中で、市町村に推薦する作文を選ばなければなりません。
正直、全作品をしっかり読んでいる暇はありません。

このような書き方は、評価されにくい傾向があります。
・作文の題名が「〇〇〇を読んで」 
・書き出しが「私は〇〇〇を読みました。」「私が〇〇〇を読んで思ったことは3つあります」

また、字数が少なすぎる作文(1800字以下は少ない)も、内容が十分に伝わらないため不利になりやすいです。

読書感想文の審査の仕組みについては、こちらの記事で詳しく解説しています。
読書感想文コンクールの審査の仕組み | 校内・市区町村審査で本当に見られているポイント

では、この文章を実際にどのように直せばよいのでしょうか。 
次に、具体的に添削していきます。

読書感想文の添削例(Before→Afterで解説)

読書感想文のビフォーアフターの変化イメージ

①あらすじを大幅に削って、「感動した」中身を詳しく書く。

【Before】最初は自分勝手で周囲を困らせていた花道がチームのために体を張る姿に感動しました。

【After】
私は中学校に入学して、バレー部に入りました。すぐに活躍できると思っていました。かっこよくアタックを決める自分を想像して入部しました。主人公の桜木も私と同じです。バスケのルールも知らず、1人でダンクシュートを狙ってプレイする。バスケもバレーもチームで戦う競技だけど、やっぱり目立ちたい、かっこよくいたい、だれでもそう思うのだと思います。そんな桜木が、部長の赤木からチームプレーの大切さを教えられ、少しずつ変わっていきます。基礎練習を大切にして繰り返し何度も同じシュートを練習するシーンに、私はハッとしました。毎日おんなじパス練、レシーブ練、どこかでつまらないなと感じていた自分に気づきました。

★自分の体験(バレー部)と結びつけることで、「なぜ感動したのか」が具体的になっています。

このように、あらすじは自分の体験や経験、本を読みながら自分のどんな部分にリンクしたのかを書きながら触れていくとちょうどいい分量になります。

「感動した」につながるまでの自分の心の動きや、自分の経験を書くと字数はあっという間にうまっていきます。あらすじを書いているスペースは実はあまりありません。

②題名と書き出しを工夫する。

題名は、作文を書いた後、最後に考えることをおすすめします。
まずは、書き出しを工夫してみましょう。
書き出しの書き方のポイントは次の5つです。

書き出しのポイント
  1. 疑問形で始める
  2. 印象に残った言葉を引用する
  3. 中心テーマを短く言い切る
  4. 本との出会いを書く
  5. 五感を使って表現する

【Before書き出し】私は最近、井上雄彦さんの名作「スラムダンク」を読みました。

【After書き出し】
「基本がどれほど大事かわからんのか!!」赤木の言葉に私は焦りを感じました。

スラムダンクという作品の中で描かれている「基礎基本の重要性」が、自分の部活動での経験に重なってとても響いた、ということを書くとします。

そのときの書き出しは「私は中学校に入学して、バレー部に入りました。」では弱いので、書き方のポイント②を使って、印象的な書き出しに修正しました。

審査員はこの書き出しを読んで、「この作文を書いた人はどうして『焦り』を感じたんだろう?」と思うはずです。

先を読みたい、と思わせることのできる作文は優秀な作文です。
審査員に読んでもらえる書き出しを考えて書きましょう。

続いて、題名を考えます。
題名は、作文の中で語ってきた「中心テーマ」をギュッと短く書くといいです。

【After題名】
例:「基礎こそ優勝への第一歩」

例:「基礎の重要性を教えてくれた『スラムダンク』」

基礎基本の徹底は、スポーツでも学習でも重要なんだということを読書を通して学んだ。

中心テーマが伝わる題名になりました。

入賞レベルの読書感想文【完成例】

入賞レベルの読書感想文の完成イメージ

作文は、文末表現を統一すれば「敬体(~です・~ます)」「常体「(~だ・~である)」のどちらで書いてもOKですが、読書感想文は常体をおすすめします。

引き締まった分になりますし、リズムよく書けます。
完成例は常体で書きました。

【完成例】

「基礎こそ優勝への第一歩」

「基本がどれほど大事かわからんのか!!」赤木の言葉に私は焦りを感じた。中学校に入学して、バレー部に入ったが、なんとなく毎日を過ごしていてもう3か月が経ってしまっている。
私はすぐに活躍できるだろうと思っていた。かっこよくアタックを決める自分を想像して入部したが、それは、主人公の桜木も同じだった。バスケのルールも知らず、1人でダンクシュートを狙ってプレイする。バスケもバレーもチームで戦う競技だけど、やっぱり目立ちたい、かっこよくいたい、だれでもそう思うものだ。そんな桜木が、部長の赤木から基本の大切さを教えられ、少しずつ変わっていく。基礎練習を大切にして繰り返し何度も同じシュートを練習するシーンに、私はハッとした。毎日おんなじパス練、レシーブ練、どこかでつまらないなと感じていた自分に気づいた。

題名と書き出しが工夫され、あらすじも大幅に減りました。 
また、自分の体験と結びつけているため、「なぜそう感じたのか」が具体的に伝わります。

その結果、「続きが気になる」「この先でどんな気づきがあるのか読みたい」と思わせる作文になっています。

ポイントまとめ

あらすじは最小限でOK 
・「感動した」は使わず中身を書く 
・書き出しで読ませる 

入賞を狙うための具体的な書き方はこちらの記事で詳しく解説しています。
▶【入賞をねらう】読書感想文の書き方完全ガイド(中学生向け)

もう少し簡単に書きたい人にはこちらの記事がおすすめです。
【サクッと終わらせる】読書感想文の5ステップ

入賞を狙う人は「課題図書」で書く!その理由

課題図書から本を選ぶイメージ

読書感想文で入賞を目指す場合は、課題図書で書くことをおすすめします。

課題図書で読書感想文を書く生徒は、実はそれほど多くありません。 
学校としては、できれば課題図書と自由図書の作文を、どちらも市町村の審査会に選出したいと考えています。

実際に多くの学校で、課題図書・自由図書のバランスを考えて推薦作品が選ばれています。
そのため、校内審査を通過しやすくなる可能性があります。

2026年課題図書はこちらで紹介しています。
 ▶2026年課題図書紹介

本が変わっても書き方は同じです。

あらすじ少なく+感動の中身を書く+題名と書き出しの工夫

を意識して書きましょう。

読書感想文で入賞するためのポイントまとめ

読書感想文のポイントを整理したチェックリストのイメージ

読書感想文は「どうやって書くか」「どう評価されるか」を知ることで、入賞の確率がぐっと高まります。
毎年嫌だなぁと書いていた人も、今年はぜひ入賞を狙って書いてみてください。

いつも体験談をしっかり書くけど選ばれないというお悩みをお持ちの方は、こちらの記事で「入賞」の種類についても解説しています。
読書感想文で「体験談」が評価されない理由|校内選考・入賞作品との違い

読書感想文は、「書き方」を知るだけで確実に変わります。 
「なんとなく書く」から一歩進んで、入賞できる作文を目指してがんばってください。

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